西洋医学と東洋医学の違いと特徴

西洋医学と東洋医学の違いと特徴

自然治癒力。それが東洋医学の考え方

西洋医学と東洋医学の違いは、体の治し方にあります。例えば工場に機械があったとします。その機械が故障して止まってしまいました。止まってしまった原因はネジが外れてしまったことでした。ネジをはめたらまた動き出しました。西洋医学の場合は、そのネジをはめて動き出せば一応の治癒ということになります。東洋医学の場合はなぜネジが外れたかを考えます。機械のネジは機械全体の振動が大きくて、その影響で外れた可能性があります。そうなると、またネジをはめてもまた外れてしまう可能性があります。よって振動を抑えることを考えます。東洋医学では、機械を安定化させて、振動を抑えることにより、ネジが外れにくくなることで治ったと考えます。要するに即効性を重視して対処するのか、原因となるような周辺状況に目を向けるのか、考え方の違いにあります。どちらにも利点がありますがライフスタイルに合わせて選んでいくことが大切です。

そもそも漢方薬とは何? その効果は?

そもそも漢方薬とは何? その効果は?

漢方は「病名」でなく「症状」で選ぶ

漢方薬は、中国の伝統医学である「中医学」が、5世紀頃に日本に伝わったのが始まりです。それから日本の帰国や風土、日本人の体質に合わせて独自に発展し、日本の伝統医療となりました。
また「漢方」という名前は、江戸時代に日本で盛んになった西洋医学を「蘭方」と言ったことに対し、漢の時代に伝わった東洋医学として「漢方」と名づけたことに由来します。
漢方薬は長い歴史の中で、様々な作用を持った植物や動物、鉱物など、天然の素材を複数組み合わせて作られてきました。体のバランスを整えたり、巡らすといった考え方が基礎にあります。一般的に漢方薬は、「効果が現れるのがゆっくり」というイメージがありますが、例えば風邪薬などの漢方薬は効き目が早く現れます。また基本的に病名に合わせて薬を選ぶのではなく、症状に対して使用するため、「隣の人が効いたから私も効く」とは限りません。自分の体質に合った漢方薬を選ぶ事が大事です。例えば風邪症状の場合、ゾクゾクと寒気を感じている場合なら「葛根湯」がおすすめです。熱が出て体の節々が痛むような場合は「麻黄湯」で、のどが腫れて痛いことを主訴とする場合なら「銀翹散」がおすすめです。

漢方薬と民間薬との違いとは?

漢方薬と民間薬との違いとは?

漢方薬と民間薬、同じ「薬」でも、成り立ちや構成、作り方、使い方に違いがあります。どこが違うのでしょうか。

漢方理論にのっとって生薬を組み合わせるのが漢方

どくだみ茶やクコ茶、ビワ葉、ゲンノショウコ、センブリなど、健康や美容を目的に、これらを用いたことのある方も多いはずです。これらは民間薬と呼ばれています。
民間薬は「ある薬草が、何に良かったのか」という部分が経験的に民の間で受け継がれてきたものになります。製法や対応疾患などは細かく決められてはいません。
一方、漢方薬には中国の医学書である傷寒論、金匱要略などの原典が存在しています。そこには、生薬の基原、製法、用法用量などが記載されています。漢方理論に則って使用され、臨床的知見が集積されている状態であり、用いる際の注意点や用いるべき病態が詳細に定められています。また、一つの薬草だけでなく、複数の生薬が一定の分量比で組み合わされ、一つの処方が完成します。そのため、様々な成分が体に作用し、体全体の調子を整えるよう働きかけます。